こんにちは、皆さん!今日は家庭で取り入れるSTEM教育(ステム教育)についてお話ししたいと思います。

STEM教育は、科学(Science)、技術(Technology)、工学(Engineering)、数学(Mathematics)

の4つの分野を総称したもので、未来のIT人材を育てるための教育手法です。

今回は、その特徴や重要性、家庭での取り組み方、さらにはおすすめの教室について詳しくご紹介します!

目次

STEM教育の特徴とその重要性

STEM教育の特徴は、大きく3つに分類されます。これらの特徴を通じて、子どもたちが自主的に学び、創造し、問題を解決する能力を身につけることを目指しています。

特徴1:4つの教育分野を横断的に学ぶこと

これまでの教育では、各分野を個別に学ぶ縦割りの教育が主流でした。

しかし、STEM教育では、科学、技術、工学、数学の4つの分野を連携させて横断的に学習します。

これにより、幅広い知識を持つ柔軟な思考が養われ、複雑な問題にも対応できる人材を育成します。

特徴2:実践力を重視すること

STEM教育は受動的な授業ではなく、体験型・創造型の能動的な教育を行います。

このアプローチにより、子どもたちは実践的なスキルを身につけることができます。

例えば、実際のプロジェクトや実験を通じて学ぶことで、知識を実際に応用する力が養われます。

特徴3:アクティブラーニング

STEM教育では、子どもたちが課題に直面したときに自分たちの力で工夫して解決することを促します

これにより、主体的に学ぶ姿勢が身につきます。

アクティブラーニングを通じて、子どもたちは自発的に学び、創造し、問題を解決する能力を育成します。

STEM教育の重要性

STEM教育が必要とされる大きな理由は、今後ますますグローバル化やIT化が進む世の中で、予測不能な時代の流れに対応できる人材を育成するためです。

AIやロボットに代替できないスキルの育成

野村総合研究所によると、日本の労働人口の49%がAIやロボットで代替可能とされています。

だからこそ、AIにはできない創造力や問題解決能力を持つ人材が必要です。

STEM教育を通じて、子どもたちは科学技術やIT技術を学び、

「自主性」「創造力」「判断力」「問題解決能力」といった21世紀を生き抜くために必要不可欠な力を身につけます。

現代社会を生き抜くための力の育成

STEM教育の本質は、自分で学び、自分で理解していく力を育てることです。

子どもたちは自ら問題に直面し、それを解決するために学び、理解を深めていきます。

このプロセスを通じて、変化の激しい現代社会を生き抜くための力を鍛えることができます。

STEM教育から派生した教育手法

STEM教育は、今後の社会で必要とされる人材を育成するために重要な教育手法ですが、その中でさらに改良され、さまざまな派生手法が生まれています。ここでは、特に注目されている4つの教育手法をご紹介します。

STEAM教育(スティーム教育)

STEAM教育は、STEM教育に芸術のArt、もしくは教養を意味するArtsを取り入れた教育手法です。

科学技術に加えてアートやデザインの要素を学ぶことで、

ものごとを知ることと創造することのサイクル」を生み出す分野横断的な学びを行います。

  • 目的: 科学・技術・工学・数学に加え、芸術や教養を取り入れることで、創造力や柔軟な思考力を養います。
  • 特徴: 人間にしかない感性を重視し、哲学とテクノロジーを融合させることに重点を置いています。

STREAM教育(ストリーム教育)

STREAM教育は、STEAM教育にロボット工学(Robotics)のRを追加した教育手法です。

この手法はロボットの設計や操作を学びながら、問題解決能力や論理的思考を身につけることを目的としています。

  • 目的: ロボット技術が必要とされる時代に対応するため、ロボットのデザインから操作までを学びます。
  • 特徴: ロボット工学を通じて実践的なスキルを習得し、技術力向上に貢献できる人材を育成します。

eSTEM(イーステム)

eSTEM教育、STEM教育に環境教育(Environmental education)を加えたものです。

環境問題への関心が高まる中で、環境保全に貢献できる人材を育てることを目的としています。

  • 目的: 環境問題に対して多角的な視点を持ち、持続可能な社会を築くための技術と知識を習得します。
  • 特徴: 環境保全をテーマにした実践的な学びを通じて、より良い社会づくりに貢献する人材を育成します。

GEMS(ジェムズ)

GEMS教育は、Girls in Engineering Math and Scienceの略称で、

女性がSTEM分野に進出することをサポートするプログラムです。

アメリカで提唱され、幼稚園児から高校生までを対象に体験型プログラムが運用されています。

  • 目的: 女性の地位向上や社会進出を促進し、男女平等の機会を提供します。
  • 特徴: 実験やディスカッションを通じて、自ら考え、学び、発表する力を育てます。日本でも多くのワークショップが開催されています。

日本のSTEM教育の取り組み

STEM教育は、未来のIT人材を育成するために重要な教育手法ですが、日本ではその普及が遅れていると言われています。しかし、ここ数年で様々な取り組みが進められており、徐々に改善が見られています。日本のSTEM教育の現状と具体的な取り組みについて詳しく見ていきましょう。

国内でのSTEM教育の現状

まず、日本のSTEM教育は海外と比較するとかなり遅れをとっています

例えば、文部科学省が小学校でのプログラミング教育の必修化を検討する方針を発表したのは2016年のことでした。

しかし、地域によってIT機器の導入率に差があったり、

インターネット環境の整備が不十分な場所も多く、IT分野での競争力低下が懸念されています。

ただし、民間の教育関連企業などでは、積極的にサービス展開を進めており、子ども向けのワークショップや親子で体験できる授業を週末に計画するなど、早い段階からSTEM教育に触れられる環境を整えています。

プログラミング教育必修化

日本では、2020年度から小学校でのプログラミング教育が必修化されました。

これにより、子どもたちは自ら考えて課題解決を図り、論理的に構築していく力を身につけることが期待されています。

プログラミング教育では、授業にディベートを取り入れたり、生徒が能動的に参加できるアクティブラーニング方式を採用することで、目まぐるしく変化する世の中で活躍できる人材の育成を目指しています。2021年度からは中学校でもプログラミング教育が本格化し、STEM教育の広がりが期待されています。

STEM教育研究センターの開設

2002年に埼玉大学に設立されたSTEM教育センターは、STEM教育を専門に扱う機関です。

このセンターではワークショップや他校への出前授業を開催し、STEM教育の普及を行っています。

特に、STEM教育の指導者の育成に力を入れており、教員への研修や総合学習のカリキュラム開発などを行っています。

また、学校でのSTEM教育環境の改善や外部講師の紹介、助成金応募の支援など、幅広い推進活動にも取り組んでいます。

スーパーサイエンスハイスクール(SSH)の設置

スーパーサイエンスハイスクール(SSH)は、文部科学省が指定した先進的な理数教育を行う高等学校です。

この制度は2002年に始まり、理数系の教科に力を入れている高校の活動を資金面で援助しています。

SSHではアクティブラーニングを重視しており、大学と連携して生徒の創造性や独創性を高める授業が行われています。

現在までに全国で200校以上がSSHに認定されており、今後も増えていくことが予想されます。




海外のSTEM教育の取り組み

STEM教育は、科学技術に強い人材を育成するために世界中で注目されています。ここでは、特にSTEM教育に力を入れている4か国の取り組み内容について紹介します。日本でもSTEM教育の普及が進んでいますが、海外の先進事例を参考にすることで、さらに効果的な教育が可能になるでしょう。

アメリカの事例

アメリカはSTEM教育発祥の地であり、国家戦略としてSTEM教育に取り組んでいます。

連邦政府機関のSTEM教育関連の予算は、2014年の時点で3.1億ドルを計上しており、

2012年と比べて6.1%の増加となっています。

特にオバマ大統領の就任後、科学技術に優れた人材育成が国家戦略として本格化しました。

2018年に発表された5年間のSTEM教育戦略計画

成功のための進路の提示~米国のSTEM教育戦略~」

では、女性の社会進出やSTEM教育への参加状況の明確化、

職業訓練や研修生へのSTEM教育の導入など、幅広い視野での取り組みが進められています。

シンガポールの事例

シンガポールもSTEM教育に力を入れている国の一つで、

2015年の国家予算の約18%が教育関連に充てられています

教育活動を推進するシンガポール・サイエンスセンターは、

1,000種類以上の体験型事業所を有する国立博物館で、観光名所としても人気です。

2014年には中学校の全生徒に対してSTEMプログラムを提供するために、

ステムインク(STEM Inc)を設立

ハンズオン(体験学習)をベースとし、ロボット工学や環境科学などの授業を行っています。

身近なものを例に挙げて仮説を立て、検証を繰り返す授業は、

学ぶ楽しさと実用性を意識させ、意欲的な学習の継続を促します。

中国の事例

中国もSTEM教育に力を入れている国の一つで、

中国政府の強力なバックアップがSTEM教育の浸透を後押ししています。

2015年、中国政府教育部が五ヵ年計画でSTEM教育の推進を表明。2

018年から2020年にかけて、小中学校や高校でプログラミング教育の必修化が進められてきました。

また、中国では最新のITテクノロジーが迅速に普及するため、

子どものIT教育に力を入れたい保護者が多く、STEM教育の浸透に貢献しています。

インドの事例

インドもSTEM教育に力を入れている国です。2013年のSTEM学部の卒業生徒数は、

インドが中国に次ぐ第2位の260万人でした。

インドでは2015年にスタートした「Rashtriya Avishkar Abhiyan

という学習プロジェクトがあります。

このプロジェクトは、6歳から18歳の子どもたちを対象に、

「探究心、創造性、科学と数学への愛情を植え付ける」ことを目的としています。

子どものSTEM教育につながる簡単な遊び例

STEM教育は学校だけでなく、家庭でも取り入れることができます。「家庭でSTEM教育をやるなんて難しそう」と思われるかもしれませんが、特別な機械などがなくても、日常の遊びを通じてSTEMの要素を学ぶことができます。今回はその実例として、4つの遊びをご紹介します。

1. 語彙力や知識量を増やす遊び

テーマゲーム
1つのテーマを決め、そのテーマに沿った解答を子どもたちが順番に出していく遊びです。

例えば、「動物」をテーマにして、順番に動物の名前を挙げていくといったものです。

この遊びは、子どもたちの語彙力や知識量を増やすだけでなく、関連性を考える力を養います。

2. 数学的思考を身につける遊び

トランプゲーム
トランプを使って、足して10になるペアを探して捨てていく遊びです。

この遊びは、算数への苦手意識を減らし、

楽しみながら数学的思考を身につけることができます。

また、計算力や論理的思考力も養うことができます。

3. 図形を視覚化できる遊び

折り紙やブロック遊び
折り紙で鶴を折ったり、ブロックやパズルを組み立てて物体を作ったりする遊びです。

これにより、図形を視覚化する力が養われるだけでなく、

集中力や望んだ結果を形にする追及力も鍛えられます。

後々、どうすればこの図形ができるのかを考える問題解決力も身につけることが期待できます。

4. 創造力を高める遊び

おままごとなどのごっこ遊び
泥団子を料理に見立てるなど、何もないところから生み出すごっこ遊びは、

創造力の向上に非常に役立ちます。

この遊びを通じて、子どもたちは創造力を働かせ、

新しいアイデアを生み出す力を養うことができます。

STEM分野においても、創造力は欠かせないスキルです。

家庭でSTEM教育に取り組むポイント

STEM教育は幼児期から取り入れることで、子どもたちの能力を効率的に向上させることができます。しかし、年代によって適したアプローチが異なるため、それぞれの段階での取り組み方を押さえておくことが重要です。ここでは、幼児期から高校生までの各段階におけるSTEM教育の取り組みポイントを紹介します。

幼児期(小学校入学前)の取り組みのポイント

幼児期はまず、子どもが楽しいと思うことができるように寄り添うことが大切です。遊びを通じてSTEM教育を取り入れることで、「もっとやりたい」「もっと知りたい」という気持ちを優先させます。

  • 楽しさを優先: 子どもが興味を持つことを優先し、楽しく学べる環境を整えましょう。
  • 指先の感覚を鍛える: 折り紙やブロック遊びなどを通じて、指先の感覚を鍛えることは創造力の向上にもつながります。
  • 非難しない: 子どもが作ったものが理解できないものであっても、非難せずに受け入れることで、失敗を恐れずにチャレンジする姿勢を育てます。

小学生の取り組みのポイント

小学生の時期は、学ぶ姿勢を身につけることを意識しましょう。創作活動や子どもの好きなことを探求させることで、自由に思考する時間を与えることが重要です。

  • 自由な思考: 子どもが自由に考え、創作する時間を大切にします。
  • チャレンジ精神を育む: 「正解よりも、間違っていたらやり直してもいい」という考え方を持たせ、チャレンジする姿勢を養います。
  • STEMトイの活用: 論理的思考力を鍛えることができるおもちゃ(例:レゴ®ブロック、ロボットプログラミングなど)を活用し、楽しみながら学べる環境を提供します。

中学生~高校生の取り組みのポイント

中学生頃からは、思考力や数学的知識が大きく成長するため、学ぶことの楽しさや喜びを実感させることが重要です。

  • 学ぶ楽しさを実感させる: 点数を取ることよりも、基礎を理解することを目標にし、学ぶ楽しさを感じさせます。
  • 実生活への応用: 身近な問題の解決に役立てることで、学んだことを実生活に応用する力を育てます。
  • 高レベルの学習支援: よりレベルの高い学習を希望する場合は、スーパーサイエンスハイスクールへの進学を視野に入れ、塾での受験対策を行うことも検討しましょう。

STEM教育が学べるおすすめの教室

STEM教育を本格的に学ぶことができる教室を紹介します。子どもの興味に合わせて教室を選ぶことで、効果的な学習が可能です。

1. プログラミング教室

プログラミングは2020年度から小学校で必修化され、

これからの時代には欠かせないスキルです。

プログラミング教室に通うことで、創造性や表現力を育成できます。

  • ゲーム感覚で学べる: 週末には単発のプログラミング講座が開かれていることもあり、ゲーム感覚で学べる教室も多いです。

2. ロボット教室

ロボット教室では、組み立てから作動までの工程を自分で体験し、問題解決能力や行動力、自発性を鍛えます。

  • 初心者でも参加可能: 理解度やスキルに合わせたコースが用意されているため、初心者でも気軽に参加できます。

3. サイエンス教室

サイエンス教室では、楽しみながら学ぶことができ、

「どうしてそのような現象が起こるのか」に焦点を当てた科学実験を行います。

  • 探求心を伸ばす: 「なぜ?」「なに?」という子どもの探求心を伸ばすカリキュラムが組まれており、子どもと一緒に体験することもできます。

まとめ

STEM教育は、これからの時代に必要なスキルを身につけるために非常に重要です。

家庭での遊びを通じて、子どもたちが自然にSTEMの要素を学べる環境を整えましょう。

今回紹介した遊びや取り組みポイントを参考に、子どもたちの成長をサポートしてみてください。

また、STEM教育を本格的に学べる教室やワークショップにも参加し、子どもたちの未来の可能性を広げるための第一歩を踏み出しましょう。

以上、家庭で取り入れるSTEM教育のススメでした。これからの子どもたちの未来を一緒にサポートしていきましょう!



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